自社にとってのインシデントを洗い出したら、BCPで取り上げるインシデントを決めていきます。
インシデントのことは、リスクは災害だけじゃない をご参照下さい。
色んなインシデントへの対策は必要ですが、BCPでは特に重大なインシデントを軸にして、
大量に発生するであろう非日常業務を、スムーズに進められるようにしていきます。
●インシデントの評価
洗い出したインシデントを、影響を受ける範囲や事業に与える影響の大きさで評価します。
影響を受ける範囲とは、全ての顧客や取引先に影響を与えるのか、それとも一部なのか、
または、直ぐに解消できるのか。といった視点です。
事業に与える影響の大きさは、事業が止まってしまうのか、混乱する程度なのかなど、
ダメージの大きさの視点です。
影響を受ける範囲は、会社によって評価基準が変わってくるかもしれませんね。
2つの視点からインシデントを評価したら、BCPで取り扱う重大なインシデントを決定しましょう。
●大きなインシデントでは、複数のインシデントが重なる
大きな地震災害などを想像してみましょう。
社屋は助かったものの、停電に断水、従業員が被災して出勤できない、原材料が入ってこない
など、一つでも対応が必要な「インシデント」なのに、それがいくつも重なってしまいます。
もちろん、重なった故の対処の変更が必要な場合もありますが、
一つ一つのインシデントを先に確認しておけば、BCPに書き込む重大インシデントの対応も、
より実効性を持たせていくことができます。
いきなり「大きな地震の対応」って言っても、あれもこれも・・・こうしたらこっちが・・・って
なりそうですよね。
だから、BCPとして複雑な対応を整理しておくのです。
難しい、面倒に見えるBCPですが、順を追って考えて行けば、色々と発見があったり、
「こうしたらいけそう!」とアイディアが出てきたり、「危ない危ない…」に気付くことも
たくさんあります。
複数人で作ることで認識の共有も進みますから、プロジェクトや委員会形式で進めていくのが
理想的です。